長島愛生園夏合宿2012

2012年8月18、19日

今年は岡山県の東部にあります国立ハンセン病療養所「長島愛生園」で合宿をしました。「長島愛生園」での夏合宿は、今回で3回目となります。県内各道場から参加者がありましたので、桜井をバスで出発し、郡山、香芝を周って岡山県へ向かいました。途中のパーキングで楽しく弁当を食べました。
バス中でハンセン病についてのビデオを見ました。ハンセン病で療養所に連れてこられた方達は、親や兄弟と一緒に暮らすことができず、実名を名乗ることができず、結婚しても子供を生むことが許されず、一生療養所から出て暮らすことができず、死んでも故郷の墓に埋葬してもらえない、こんな生活を強いられてきました。同じ人間なのに、あやまった国の政策などによって、長い間多くの偏見と差別に苦しんできました。空手の稽古は突き合い蹴り合う中で痛さを知り、相手の痛みも分かるようになります。痛みが分かる人は、他人にやさしくなります。偏見・差別を受けた長島愛生園入所者の方達は心を痛めた経験があるから、とてもやさしいです。そして、後遺症に苦しみながらも、残りの人生を悔いのないように生きようと、一生懸命に今を生きていらっしゃいます。
到着してから面宿で着替えた後、歴史館を見学しました。歴史館学芸員の方にハンセン病のことや長島愛生園の歴史についてわかりやすくご説明をいただきました。
歴史館を出てから、ランニング・フィールドワークが始まりました。的場先生を先頭に気合いを入れながら走り、まず向いましたのは納骨堂。この中には亡くなってもなお故郷に帰れない約3,500柱もの遺骨が眠っています。私達はまず黙祷し、それから奉納演武をしました。石田さんはじめ、入所者の方達も演武を見守ってくださいました。
次に昭和10年に入所者と職員が一体となって建設された「恵の鐘」に行き、一人ずつ心を込めて鐘をつきました。この鐘は朝6時と夕方6時に自動的に鳴るのですが、その時間以外に鐘が鳴ったときは、入所者の方達も「誰かが来ているんだな」と思われるそうです。
面宿に帰って来てから「手刀スイカ割り」に挑戦。小さなスイカは、低学年から順番に挑戦して少しずつひびが入り、五回目で割れました!その次に大きなスイカを、松井くんがなんと一発で真っ二つに!割れたスイカを皆で食べました。
  夕方からの交流会では、自治会の中尾会長からご挨拶を頂戴し、石田副会長から乾杯のご挨拶を頂戴しました。その後の自己紹介では谷本さん、広瀬さん、懐子さんからも貴重な体験談をお話いただき、お仕事の関係で遅れてご参加の岡崎課長からも、貴重なお話をお聞きしました。空手道MACの参加者の自己紹介も、皆慣れてきたようで大きな声でハキハキと話していました。ゲーム大会では、「科学のふしぎ」に関する質問に、子ども達もどんどん答えて素敵な?景品をゲットしていました。自治会からたくさんのお菓子と飲物を頂き、また、中尾会長よりは手作りの甘いトマトをデザートに頂きました。さらに岡崎課長の奥さんからは、たくさんの美味しいパンとサラダを2日目の朝食に頂きました。
2日目の稽古はミット中心でしたが、入所者の方達と岡崎課長さんも見守ってくださいました。的場先生がお手本として見せた迫力あるミットには、「おぉ!」と歓声が上がりました。子ども達の手の皮が、しっかり突きこんでいたのでむけていました。シャワーの後、午前11時に見送りに来てくださいました皆さんお一人お一人と握手をしてお別れしました。バスから見えなくなるまで、皆で手をふりました。
昼からは、世界遺産の姫路城へ行きました。50年に一度の修理中で外観は箱のようになっていました。観光バスでいっぱいのはずの駐車場に1台もバスが無かったので心配でしたが、修理中にしか見れない特別展もあって満足だったと思います?
バスの中では、最初から最後までほとんどの子どもたちは眠ることなく友達と元気に話していましたので、驚きました。帰りは高速道路が思いのほか混んでいましたので、1時間以上遅れました。帰りを待っていただいていました保護者の皆様には、失礼しました。
入所者自治会の中尾会長様・石田副会長様はじめ、自治会の皆様、福祉課の岡崎課長様、バスの運転手さん、お世話になりましてありがとうございました。道仁先生、的場先生、引率お疲れさまでした。また来年の夏合宿も参加しましょう!





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